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居家以プロジェクトと研究組織

居家以プロジェクトと発掘調査組織

 居家以岩陰遺跡の発掘調査は、國學院大學考古学研究室が、縄文文化の起源と形成過程の研究を目的として2014年に着手し、2023年までに9回のシーズンを重ねてきた。大学の考古学実習を兼ねた学術調査を継続しているが、発掘調査の進展につれて、多数の縄文人骨の出土や多量の動植物遺存体を包含する人為的灰層の発見などの重要な調査成果が得られ、長期間の調査実施と自然科学分析に多額の研究費が必要となったことから、2017年からは日本学術振興会の科学研究費補助金による助成を受け、人類学・DNA分析等の専門研究者と連携した研究組織を整えて、共同研究プロジェクトとして推進している。交付を受けた科研費は次のとおりである。

  • JSPS科研費  基盤研究(A) 17H00939(平成29~令和2年度)研究代表者:谷口康浩
    『更新世-完新世移行期における人類の生態行動系と縄文文化の形成に関する先史学的研究』
  • JSPS科研費  基盤研究(S) 21H04983(令和3~令和7年度)研究代表者:谷口康浩
    『半定住狩猟採集民の社会組織と葬制:骨考古学先端技術との連携による先史社会の復元』

 これまでに実施した発掘調査は以下のとおりである。

  • 第1次調査(IY1) 2014年8月18日~8月29日
  • 第2次調査(IY2) 2015年8月13日~8月24日
  • 第3次調査(IY3) 2016年8月2日~8月13日、9月5日~9月17日
  • 第4次調査(IY4) 2017年8月22日~9月18日
  • 第5次調査(IY5) 2018年8月22日~9月21日
  • 第6次調査(IY6) 2019年8月21日~9月19日
  • 第7次調査(IY7) 2021年8月17日~~9月19日
  • 第8次調査(IY8) 2022年8月8日~9月24日
  • 第9次調査(IY9) 2023年8月3日~9月22日

 第9次までの発掘調査は延べ270日間、発掘面積は岩陰部約24㎡、岩陰前面のテラス部4㎡、前庭部緩斜面)約27㎡である。縄文時代早期を中心に、人骨・土器・石器・貝製品・骨角牙製品・動物遺存体・植物遺存体などの分析資料を収集した。第1次調査から第5次調査の成果は『居家以岩陰遺跡』(谷口・朝倉編2017)、『居家以岩陰遺跡Ⅱ』(谷口編2020)、『居家以岩陰遺跡Ⅲ』(谷口・大日方編2023)の各報告書ですでに公表している。第6次調査以降の成果についても順次、発掘調査報告書として公表していく計画である。また、第5次調査までの出土人骨の研究成果は、『居家以人骨の研究Ⅰ―早期縄文人の社会と葬制―』(谷口編、2023、六一書房)として公表している。。

研究組織と役割分担

 考古学・人類学・DNAの3チームにより役割を分担し、研究代表者が研究全体を統括する。

考古学チーム

チーム長:谷口康浩 居家以岩陰遺跡の発掘調査、分析資料の収集、早期縄文人集団の生態行動・葬制の考古学的研究担当

  • 谷口康浩(國學院大學・研究代表者) 居家以岩陰遺跡の発掘調査、社会組織・葬制・居住形
     態・物質文化の研究
  • 松本耕作(國學院大學・研究協力者) 人骨出土状況の三次元計測・図化
  • 工藤雄一郎(学習院女子大学・研究分担者) 年代測定、遺跡形成史と環境史のマッチング
  • 百原 新(千葉大学・研究協力者) 地域植生史・古環境の復元
  • 吉田明弘(鹿児島大学・研究協力者) 花粉分析による植生史復元
  • 那須浩郎(岡山理科大学・研究分担者) 出土植物種子の同定、植物資源利用の復元
  • 佐々木由香(金沢大学・研究協力者) 植物種子圧痕の同定、植物資源利用の復元
  • 山崎京美(國學院大學・研究協力者) 出土動物骨の同定、動物資源利用の復元
  • 黒住耐二(千葉県立中央博物館・研究協力者) 出土貝類の同定
  • 江田真毅(北海道大学総合博物館・研究協力者)  出土鳥骨の同定
  • 久保麦野(東京大学・研究協力者) 出土ニホンジカ臼歯のマイクロウェア分析
  • 二宮修治(東京学芸大学・研究協力者) 考古遺物(土器・石器)の材質分析と産地推定
  • 建石 徹(東京文化財研究所・研究協力者) 考古遺物(土器・石器)の材質分析と産地推定
  • 大工原 豊(國學院大學栃木短期大学・研究協力者) 石器・石材の分析、黒曜石の産地推定
  • 三浦麻衣子(帝京大学文化財研究所・研究協力者) 考古遺物(土器・石器)の材質分析と産
     地推定
  • 河西 学(帝京大学文化財研究所・研究協力者) 土器胎土分析、灰層分析
  • 吉田邦夫(東京大学総合研究博物館・研究協力者) 土器付着物分析、灰層分析
  • 宮内信雄(東京大学総合研究博物館・研究協力者) 土器付着物分析

人類学チーム

チーム長:近藤 修 居家以人集団の健康状態、食生活、個体の生活史の人類学的研究担当

  • 近藤 修(東京大学・研究分担者) 出土人骨の形態研究(系統・地域性・健康状態・古病理)
  • 戸坂明日香(京都芸術大学・研究分担者) 出土人骨の顔の復元(復顔・美術解剖学)
  • 米田 穣(東京大学総合研究博物館・研究分担者) 出土人骨の同位体分析(古食性・生活
     史)、放射性炭素年 代測定
  • 覚張隆史(金沢大学・研究協力者) 出土人骨の同位体分析(ストロンチウム分析担当)
  • 申 亜凡(東京大学・研究協力者) 出土人骨の同位体分析(ストロンチウム分析担当)

DNAチーム

チーム長:植田信太郎 居家以人集団の遺伝学的特徴、個体性別・血縁関係のDNA分析担当

  • 植田信太郎(東京大学・研究分担者)出土人骨のDNA分析・ ゲノム解析(DNAチーム統括)
  • 水野文月(東邦大学・研究分担者) 出土人骨のDNA分析・ゲノム解析(実験・解析担当)
  • 大橋 順(東京大学・研究協力者) 出土人骨のゲノム情報解析(集団内多様性解析を中心に)
  • 中 伊津美(東京大学・研究協力者) 出土人骨のゲノム情報解析(集団内多様性解析を中心
     に)
  • 石谷孔司(産業技術総合研究所・研究協力者) 出土人骨のゲノム情報解析(一次情報解析を
     中心に)
  • 熊谷真彦(農業・食品産業技術総合研究機構・研究協力者) 出土人骨のゲノム情報解析(エピ
     ゲノム解析を中心に)
  • 五條堀 淳(総合研究大学院大学・研究協力者) 出土人骨のゲノム情報解析(集団間多様性解
     析を中心に)
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